貴方 もしかして 迷子じゃないですか?

「もしかして 私 迷子・・・?」

知ってるようで あまり知らない街で 気がついたら

自分が今 何処にいるのか わからなくなった


そんなとき 目の前に 和洋折衷な店構えのお店

「急ぐこともないし のんびりするかな・・・」

扉を開けると そこは 木と土の香りを感じさせる空間が広がっていた


珈琲の香りに癒されながら 鞄からスマホを取り出した

画面をスクロールしかけて・・・そのまま 鞄の中にスマホを収めた

「たまには スマホのない時間もいいかな・・・」


店の中を 風が通り抜けたような気がしたとき 自分が涙を流していることに気が付いた

小さなことの積み重ねで 一杯一杯だった自分 

認めてもらえない自分 空回りしている自分 なんで? なんで?


どれくらいの時間が過ぎたのだろうか 珈琲がすっかり冷めてしまってる

マスターが 暖かいカフェオレを 「サービスだよ」と 私の前に差し出した

「ありがとうございます」

甘く温かいものが 喉を通りすぎるたび 心が軽くなっていくような気がした

「そっか・・・ 私が 私を認めてあげなきゃ・・・」

自分を固く覆っていた殻のようなものが 剥がれ落ちるような錯覚におちた

店をでて 空を見上げたら 真っ青な空が広がっていた

ゆっくり 前を向いて歩いていこう


何気なく振り返ると そこは・・・ 空き地になっていた